●2004年08月 京都旅行編

其の1:天橋立から大阪へ

<8月27日>

■横浜駅

深夜の横浜駅は、今日も帰宅途中の人々で賑わっていた。
午前0時。もうすぐ終電もなくなろうかという時間。
俺は、リュック一つだけの小さな荷物を背負い、ムーンライイトながらを待っていた。

今回の旅は、俺の思いつきで計画されたものではなかった。
大学時代の友人が「ムーンライトながら」で旅をしてみたい、
と言い出したのが全てのきっかけ。
個人的には、北海道とか北陸とか、もっと他の土地に旅をしたい気分だったのだけど、
たまには付き合ってやるか、という気まぐれで同行することにしたのだった。

列車を待つこと約10分。定刻どおりに目的の列車はやってきた。
目の前に停車した車両の中には、俺を見て手を振る友人。
思わず体の血が騒ぐ。
夜行に乗り込む瞬間というのは、何度経験しても特別な雰囲気を感じる。
俺ははやる気持ちを抑えて、ゆっくりと列車に乗り込んだ。
さてさて、青春18キップでの、手軽な関西旅行の始まりである。


■ムーンライトながら・大垣行

青春18キップが利用できる時期なだけあって、車内は非常に混雑していた。
とりあえず、指定された座席に座り込む。
隣の席には東京から乗車してきた友人。
どうやら彼女は久々の旅行に興奮気味のご様子だった。
しかも初の夜行体験で、さらにテンションアップ。
とても、さっさと寝てくれそうな雰囲気ではなかった。

しまった……これはツライ旅になるかもしれない。

普段、アンリ部長なんかと旅している時は、結構きっちり寝てしまうもんで、
今回もその感覚でいたのだけど、寝かせてくれないとなれば話は別である。
少しは喋るのやめて眠りやがれコノヤロウ(心の声)。

それでも、どこでも寝られる俺様は強かった。
沼津くらいまでは記憶にあるのだけど、その先、気が付いたのは豊橋到着直前。
何だかんだでしっかり眠っていたらしい。
まぁ、仕事の後で体が疲れていたせいもあるかもしれない。

浜松と豊橋では約30分ほど停車する。
俺達は豊橋到着後、その時間を利用してコンビニに行くことにした。
通路に座り込む、座席指定の無い人たちの群れをかきわけてドア口へ。

早朝の豊橋は、少し生暖かい空気が漂っていた。
暦の上では秋でも、まだまだ気候の上では夏。
このような一瞬一瞬が、それを強く感じさせる。

コンビニでは、たこ焼きと天むすを購入。
どうにも車内は空調が効きすぎて寒いので、温かいものが欲しくなる。
大して美味くもないコンビニたこ焼きだけど、
食べる場所次第で、だいぶ違った味に思えるものだと感じた。

列車は朝日の中を駆け抜けていく。
途中、名古屋で後ろ3両を切り離し、6両になって大垣へ。
結局、最後まで混雑していた列車は、定刻どおりの6時53分、目的地の大垣に到着した。


■乗り換えの連続

ここからは乗り換えの連続である。
まずは米原まで網干行のポンコツ車両に30分ほど。
その後、新快速で京都まで50分、嵯峨野山陰線で綾部まで1時間40分。
このうち、新快速と山陰線の園部〜綾部間は、座る座席を確保するのがやっとの状態。
これがもし座れなかったらと思うと……いやはや大変なことである。

綾部からは舞鶴線。
西舞鶴からは北近畿タンゴ鉄道に乗り換えて、天橋立に到着したのは12時15分。
実に、横浜駅を出発してから、12時間が経過していた。

北近畿タンゴ鉄道。乗ったのは右側……ではなくて、左側の普通列車。くそう、タンゴディスカバリーに乗ってみてぇーっっ!!


■天橋立

天橋立は、ここから歩いて5分ほど。

日本三景にも数えられる天橋立は、まさに日本屈指の景勝地である。
日本三景には、他に安芸の宮島と松島があるけど、
天橋立は宮島からシカを追い払ったカンジに近いような気がする。
白砂青松だと、どこも似たり寄ったりになってしまうものなのだろうか。

ちなみに松島はというと、ドラゴン船が堂々と停泊してあるあたり美しいとは言い難い。
松枯れも結構激しいしね……。
まぁ、その辺の話は、このさいどーでもいい。

俺達は、とりあえず回旋橋そばのメシ屋に入った。
まずは腹ごなしである。
ぶっちゃけ観光地価格で割高な気はするけど、それはまぁ目をつぶるしかない。

通行可能なノーマル形態。回旋中。

食事中、回旋橋が何回か動いている様子を見ることができた。
回旋橋ってゆーのは、その名の通り、橋の中央部分がぐるっと旋廻するような構造の橋のことである。
何で旋廻するのか。それは跳ね橋と同じ。大きな船を通すために他ならない。
俺達が見ていたときも、土砂を運ぶ船が往来していた。

食後は回旋橋を渡って砂州の部分に入り込む。
砂浜は海水浴場となっていて、たくさんの人で賑わっていた。
しかし、一歩中に入り込むと、そこは静かな松並木。
こういう雰囲気は、正直、かなり嫌いじゃない(好きってこと)。

松並木。

俺達は名水百選のところまで歩き、その近くで少し水遊びをした。
水着なんかは持ってなかったので、波打ち際にいる程度だったけど、
暑い日差しの中、日本海の透き通った海水は、とても気持ちよかった……らしい。
俺はそれを見ていただけ。足だけ浸かるくらいなら、むしろ木陰で休んでいた方がマシである。
はてさて、こんな俺はジジくさいのだろうか。

名水百選。


■快速

ひとしきり遊んだ後、俺達は天橋立を後にした。
宮津で乗り換え、福知山で更に快速の大阪行に乗り換える。
福知山線の快速は、ちょっと懐かしい117系。
かつては東海道線の新快速に使用されていた列車である。

この列車はれっきとした転換クロス車なのだけど、
改造されて、一部がロングシートに切り替わっている。
ロングシート部がかなり大きくとられているものだから、
転換クロスシートがかなり少なくなっていて、ちょっと座席を確保するのに苦労した。
福知山から大阪までは約2時間。さすがに転換クロスでないとつらい。

実は、この路線は何年も前に通ったことがある。
急行「だいせん」で。その時が、俺にとって初めての夜行列車体験だった。
うるさい、揺れる、空調がキツイと三拍子そろっていて、
とてもじゃないけど眠れなかったのを覚えている。
今となってはあの頃が懐かしい。
そんな「だいせん」も10月のダイヤ改正で廃止と聞く。
さすがに、ちょっと感慨深いものを感じてしまう。

いつしか夜の闇が訪れていた。
三田、宝塚を過ぎ、外の景色は青から黒へと変わっていく。
尼崎を過ぎ、川を渡ると、そこはもう大阪。
何度見ても落ち着かないビル群が俺達を出迎える。
旅の初日も、あと少しで終わりである。

大阪ではそのまま列車を乗り換え、環状線に乗車。
弁天町で下車して駅そばのホテルへと向かう。


■三井アーバンホテル大阪ベイタワー

三井アーバンホテル大阪ベイタワー。まぁ、とにかくでっかいビルです。ハイ。

この日の宿は「三井アーバンホテル大阪ベイタワー」。
マトモに宿泊すると1万数千円もする、結構立派なホテルである。
もちろん俺がそんな金額で泊まるはずもなく、某サイトで朝食付シングル7,850円の予約済みである。
部屋は39階。明日の朝食は51階。

とりあえず、チェックインを済ませてそれぞれの部屋に入る。
うーん、眺めがすごい。なかなか大した夜景だ。
しばらく電気を消して夜景に見入る。
ほどなく、ベルが鳴ったので外出。夕飯を食いに行かねば。

大阪の夜景。客室からこんな景色が見れるとは……。いいね。


■道頓堀

魔王ザンデの居城がこんなところにっっ?! FF3は名作。

まず最初。友人が難波のとある店にたこ焼きを食べに行きたいというので、それに付き合う。
18キップなので、弁天町から今宮経由でJR難波へ。
目的のたこ焼き屋は歩いて数分のところだった。
中がクリーム状でトロリとした、ちょっと変わった一品。
うーん、美味しいには美味しいんだけど……なんか食べてるカンジがしない。
結論、ビミョー。

さっさとメインの夕飯を食べに行くことにする。

そのまま歩いてたどり着いた先は道頓堀。
相変わらず人が多い……うぇ、人酔いしそう。
友人がお好み焼きをリクエストするので、適当な店に入る。
……正直なところ、大阪風のお好み焼きはあまり好きじゃないんだけどなぁ。
やっぱ広島風でしょ。広島風。
俺はあっちの方が、断然美味いと思う。
いや、こればっかりは個人の好みだから、どうしようもないんです。はい。
とりあえず生ビールと一緒にいただく。ま、これはこれでいいねぇ。

友人に、ホテルのスカイパブで2次会だーと誘われたけど、
疲れが溜まっていたせいか、酔いが早くてここまででダウン。
誘いを断って部屋でさっさと寝ることにした。
ぐぅ……。あしたは……きょうと……に……


部屋はこんなカンジ。結構広々快適な部屋。


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