●2004年08月 京都旅行編
其の2:京都急ぎ足見物
<8月28日>
■三井アーバンホテル大阪ベイタワー
ふと気がつくと、時刻は朝の6時。
窓の外は昨日の夜景から一転、大阪の建物群がひしめいていた。

とりあえず、眠気覚ましにシャワーを浴びて、荷物整理など準備をする。
7時。朝食の時間になった。
隣の部屋はまだ寝てそうな気がするんだよな……。
一応、7時に朝食行こうという話はしてあるのだけど、
アイツが時間通りに来たことなんか、数えるほどしかない。
日頃、どこかで待ち合わせしても、30分〜1時間遅れは当たり前のヤツで……
ブツブツ。
ああ、もう。思い出しただけで腹が立つ。
って、俺は何で朝からキレてるんだ?!
待っていたら8時になってしまうかもしれない。
朝食会場は、そのくらいの時間が一番混雑する。
ここは一つ、見捨てて一人で食べに行ってしまうべきであろうか。
…………。
一応、30分くらいは待つか……。
結局、ヤツは10分遅れで内線電話をかけてきた。
朝食会場には20分遅れ程度で到着。
まだ、何とか混雑する前だった。
朝食会場は、最上階の51階。
部屋のある39階も十分高くて眺めが良いけど、
そこから更に10階高ければ、より眺めが良いのは言うまでもない。
部屋とは反対側に窓があるようで、さっきまでは見ることができなかった
USJとか、天保山付近とか、遠く六甲山や明石海峡大橋の方までくっきりと見渡すことができた。
今風に言えばオーシャンビュー? や、ほら、大阪湾だって海は海だし。
ちなみに、部屋からだと通天閣とか大阪ドームとか大阪城なんかが見える。
環状線の電車もはっきり見えるので、俺はそっちの方が好きである。チェケナウ(意味不明)。
朝食はバイキング。
実は20階にある日本食レストランで、朝定食を食べることもできたのだけど、
やっぱ最上階の魅力には勝てないものがある。
バイキングならガッツリと、食べたいだけ食べられるし。
ちなみにメニューはフツー。
個人的に特筆すべきはトマトジュースがあったこと。
やー、いいね。やっぱ朝はこれがないと。
大量のトマトジュースを腹に入れて、朝食会場を後にする時、その入口には長蛇の列が伸びていた。
時刻は8時過ぎ。
ホラね。やっぱり混雑した。朝食バイキングは早めにいかないと待たされるんだよ。
怪しげな女社長で有名な某●パホテルの朝食で、何回か待たされた経験のある俺。
そのへんはしっかりとわきまえていた。
■交通科学博物館
出発時刻は10時――。
朝食の後、友人からの申し出があり、そういうことに決定。
んで、予定通りの10時。
俺はフロントで先にチェックアウトを済ませていた。
ロビーの館内電話を使い、友人にその旨を伝える。
すると――
――まだこれから荷造りするから、11時……ううん、(10時)45分まで待ってて。
おいおい、数時間前にしたばかりの約束はどーしたよオイ的発言。
まぁ、荷造りできてないんじゃ仕方が無いと、とりあえずは了解するけど、
やっぱりすっごく腹が立つ。
だいたい、出発10時って言い出したのはそっちだろー。ムカムカ。
部屋に戻れず、1時間近くもどないせいっちゅーねん。
考えること数10秒。
決めた。こんなところでダラダラ待っててやるもんか。
俺は独りホテルの玄関をくぐり、JR弁天町駅の方に歩を進めることにした。
友人には歩きながらメールを打つ。
『ホテル出てくるのは11時でかまわんから、駅に11時10分頃来てくれ』
本当は駅まで数分。
でも、友人は1泊とは思えないようなデカイ荷物を持っていたので、
少しのんびり時間をとってやろうということで10分。
せめてもの気配りってヤツだった。
俺は駅のそばにある、交通科学博物館に向かった。
今日は土曜日。朝から親子連れが結構来ている。
入口でチケットを買って中に入る。
おおお。リニアだよ、新幹線0系だよ、素晴らしい。
個人的に気に入ったのは103系のドアを開閉できる展示と、
485系ボンネットタイプの運転席に座れるようになっている展示。
そして何と言ってもこれ。
221系でJR宝塚線(福知山線)を運転できるシミュレーター。
シミュレーターは1人あたり1分半と、ちょっと短いものがあるけど、
やっぱ大画面でホンモノそっくり(つーかホンモノ?)。素晴らしい。
他にはリクライニングシートに座れたり、大ジオラマがあったり、
電車でGo!の体験コーナーがあったりと、なかなか飽きさせない構成で好感。
屋外のSLとか、ボンネット気動車なんかももちろんグッド!
うーん、2〜3時間くらいはいて、もっとじっくり見てみたいなぁ。
すぐに時間になってしまったので、泣く泣く博物館を後にする。
うーん、ここはまた日を改めて来たいかな。

■梅田
弁天町駅に戻ると、友人がさも不機嫌そうに待っていた。
どうやら待っててやらなかったのが気に食わなかったらしいけど、
そもそもその原因を作ったのが本人だということをすっかり忘れている。
ムカムカ。

とりあえずは環状線に乗って大阪を目指す。
今日は京都に行く予定。大阪からは新快速でバビュッと30分。
でも、その前に、梅田で寄りたい店があるというので、
それに付き合ってやることにする。
大阪駅の改札を出て、どこをどう歩いただろうか。
相変わらず、梅田の地理はよくわからない。地下に潜ってしまうと迷路そのもの。
ずいぶん歩いて辿り着いた先に待っていたのは、
なんかもうどこにでもある感じのレトロ駄菓子屋だった。

……や、俺、海●名のワーナー●イカルで映画の時間待ちしている時、
いつもこのテの店で時間潰しているんですけど。
はっきり言って、何を今さらな状態。わざわざ梅田まで来て、こんなところに行かんでも。
しかも、何を買うのかと思いきや、ハンズあたりにでも行けば間違いなく売ってそうな
食べ物のレプリカキーホルダー。
どれにしようかと延々迷っている。
迷っている。
まだ迷っている。
…………。
…………。
……遅ぇぇぇっっ!!
いったい、この人は何をしに関西まで来たのだろうか。
頭が痛くなる。
はぅあぁぁぁぁ……。
その時、たまたま隣にあったCDショップから流れてきたちょっと懐かしい音楽。
うっわー。マッキーだよ。「どんなときも」だよ。
俺、この曲流行ってた時、まだ小学生だったよーっ。
って、カンジで、どーせ待ってるだけヒマなので、フラフラとそっちに行ってみる。
どうやらベストアルバムが発売されていたらしい。最近の音楽情勢はよくわからん。
とりあえず、衝動買い。
あー、やっぱり槇原は「どんなときも」から「ズル休み」くらいまでが最高さね。
つか、「SPY」以降はほとんど知らないし。
ヒマな時間をCD聴いて何とかしのぐ。
しばらくして買物を終えた友人。
ではそろそろ行くかとJR駅に戻る途中。突然
「あ、ちょっとソニープラザ寄らせて」
……だから何で、そんないつでも行けるようなところに行きますかあなたは。
ソニープラザは阪急梅田の1階だった。
いい加減、待つのも嫌になったので、このまま河原町まで行ってしまおうかと思ったけど、
絶対後々根に持たれそうだったので、大人しく待つことにする。
……長い……。
……遅ぇ……。
ふと時計を見る。ああ、もうすぐ1時だよ。
まだ今回、天橋立と交通科学博物館にしか行ってねぇ……。
しかも、どっちも結構中途半端だし。うあぁぁぁぁー。
日頃のストレス解消のために旅に出ているのに、逆に溜まってしまうとはいかがなものか。
もう2度と、こいつの旅には付きあわねぇ……。
こんなこと、心に決めたのは、初めてのことだった。
■京都
さんざん待った後、13時の新快速に乗って京都に向かう。
ただ待つとゆーのはすっごく疲れるもんで、その影響で俺は約30分の乗車中、思いっきり爆睡。
やっぱ新快速はよく眠れる。
京都に着いたのは13時半。……こんなに遅いの、史上初。
基本的に寺社仏閣は16時半までで拝観受付終了してしまうため、
残された時間は僅か3時間。洒落になってません。
友人は知り合いを尋ねに行くとか言い、俺も一緒にどうかと誘ってきたけど、
これ以上こいつの付き合いなどやってられんと思い、断る。
19時に駅で待ち合わせることにして、一旦別れた。
とりあえず駅前の案内所で市バスの一日乗車券(500円)を購入してから駅に戻る。
時間がない。今日はタイムイズマネーで動くぜ。
ちまちまバスだけ乗ってたら、移動に時間がかかりすぎるもんね。
まず最初の目的地は東福寺。
奈良線の「みやこ路快速」がちょうど出るところだったので、それで1駅。
駅からは歩いて7〜8分。14時には寺に到着して観光開始。
■東福寺

東福寺は思ってたよりずいぶん大きかった。
まぁ、どっかの宗派の総本山らしいし、こんなもんなのかもしれない。

まずは方丈庭園に入る。
海の中に浮かぶ島々を思わせる、岩の配置が美しい。
そして方丈の裏手からは東福寺の目玉である通天橋が見える。
周囲を覆う木々は楓。
まだ青々としたその葉の色も、あと数ヶ月すれば真っ赤に染まるのだろう。
その風景。さぞ見事なものだろうなと思う。

方丈を出て、通天橋へと行ってみることした。
このエリアは、ただ橋を渡れるだけじゃなくて、
橋を横から眺めることもできるし、奥のほうにある庭園・開山堂を見ることもできる。
この付近にある楓は、少しだけ紅葉しているものがあった。
少しだけ、最も美しい時期を感じさせてくれるものがあった。


■高台寺
予想以上に美しかった東福寺を後にして、高台寺へと向かう。
本当は京阪電車でも使おうかと思ったのだけど、
ちょうど1本前の電車が出てしまうところだったので、諦めてバス乗場へ向かう。
5分ほどでバスは到着した。何故か3台一緒に。
しかもそのうち2台は系統・行先が同じ。すっげぇ意味ねぇ。
とりあえず、俺はどれに乗っても良かったので、
混雑する前の車はやりすごし、後ろのバスに乗り込んだ。
空いているのでヨユーで座れる。ラクチンラクチン。
道も土曜にしては空いていて、ほどなく東山安井に到着する。
次の目的地である高台寺は、ここから坂を登ったところになる。

高台寺は思ってたよりもずいぶん広くて、敷地内にいろいろとある感じ。
順路もしっかりと作られていて、一通り見られるようによく考えられているのがにくい。

ここのメインはやはり、秀吉とねねを祀っている霊屋なのだろうけど、
出口のそばの建物で西陣織の実演をやっていて、むしろそっちの方が人気だった。
あのおばちゃんも、一日衆目にさらされて大変だろう。
きっと、気分は動物園のパンダか何かと同じようなもんじゃないだろうか。
囲いの中で、一人延々と機織。
あれはある意味、精神的にくるものがあると思った。
■急げ
高台寺を出て、そばの何とか美術館ってのに入った。
高台寺の拝観券と一緒に、ここの券を貰ったので、せっかくだからと入ってみたのであった。
中は美術館というよりは、ミニ資料館といった風。
鎧とか陶器とかが展示された、小さなスペースだった。
とくにこれといったものはない。5分ほどでその場を後にする。
東山安井のバス停に戻る途中、舞妓さんを見かけた。
もしかすると、その格好をしただけの観光客かもしれないけど、まぁ、この際どっちでもいい。
さっそく外国人やカメラ構えたおっさんが群れていた。
他に人がいなかったら、俺も撮らせてくださいとお願いしてたかもしれないけど、
人多いし、時間もないしで、そのまま通り過ぎることにした。
今は、あと一箇所、観光できるかどうかの瀬戸際なのである。
東山安井停留所に戻る途中、歩きながら今後の算段を考える。
近くの知恩院、清水寺、平安神宮はもう行ったことあるから別にいい。
東西本願寺は、バスが恐らく混雑しているであろう通りを通過することになり、
時間的に見てちょっと苦しい。
さてどうするか。決め手がない。
そのままバス乗場まで戻ってきてしまう。
ああ、もうどうすんべ。
……とその時、ふと脳裏にうかんだものが一つ。
あ、そういえば、4月に南禅寺行った時、誰かの法要やってて中に入れなかったっけ。
こりゃあ行くしかない。南禅寺なら十分間に合う。
とりあえず来たバスに乗って東山三条へ。
そこから東山駅に行って地下鉄東西線で一駅。うん、やっぱり鉄道は速い。

蹴上からは以前歩いた道のり。迷うことなくガンガン歩く。
10分もしないうちに南禅寺に到着。まずは早速三門へ向かうことにした。
■南禅寺

本当は三門・方丈・南禅院の共通拝観券を買おうと思ったのだけど、
受付の人が「今からだと共通は全部回れない」と言うので、個別に買うことにする。
……見てろよ、全部回って、あとで文句言ってやる(←嫌な客)。
三門はとにかく大きい。
狭い階段を上ると、そこからは京都の市街地が見渡せた。
いやー、こりゃ気持ちいい。高所恐怖症の人には、少しつらいかもだけど。
一通りぐるっと一周してから階段を下りる。さ、次だ次。
時間がないし、サクっといかないと。
次に行くは方丈。
島々が点々としていた東福寺の庭園とは異なり、
左右両端に大きな島を配置したつくり。その島が虎に見立ててあるあたり、また趣き深い。

本当はここも急いで見て回り、南禅院に駆け込もうかと思ったけど、
その方丈がキレイなので、予定変更。座ってじっくり見ていくことにする。
まぁ、3つのうち、メイン2つを見れれば上出来というものだろう。
じっと座って庭を眺めていると、心が癒されてくる。
ふぅ、最後の最後で、ようやく旅している気分になってきたなぁ。
まぁ、今回の旅はもともと俺が計画したわけじゃないし、たった1泊の旅行だけど、
それでも、行くからにはそれなりのものにはしたいと思う。
ここへ来て、それがようやく実現したようでちょっとホッとした。
友人が、全く別の場所にいるのが、ちょっと残念な気もしたけど。
結局、一人旅しているのと変わらなくなっちゃったしね。そういう意味で。
ま、わずか3時間で3箇所もまわることができ、交通科学博物館も含めると、
何だかんだで4箇所も見て回った今日1日。
無駄な時間もあったけど、終ってみればそれなりに満足。
あとは、急ぐことも見るものもないし、待ち合わせに行くだけである。
■京都
南禅寺からはバスで駅に戻る。
途中、四条河原町付近で渋滞していたものの、あとはスムーズ。
18時頃には駅に戻り、土産を購入する。

葛きりと、漬物(賀茂茄子と万願寺唐辛子)。
まぁ、ベタと言えばベタだけど、八つ橋を入れてないところがポイントだったりする。
あとは宇治茶プリンも購入。
祇園ちご餅も考えたけど、ウチのおかんが牛皮好きじゃないのでやめておく。
土産購入後、まだ時間があったので、ソフマップへ行ってみる。
「お前も、いつでも行けるようなところに行ってるじゃないかー!」って?
ちっちっち。俺は一人で行ってるからいいんです。他人巻き込んでないから。
パソゲーの新作を見てみる。……あ、「下級生2」出てるよ……。
何となく衝動買い。
しばらくは積みゲーになりそうな気がしたけど。
15分前くらいにメールが入った。
コーヒー飲んでるから、着いたら連絡くれとのこと。
まぁ、既に到着してはいるんだけど、コーヒー飲み始めたのなら少し時間をやるかと、
待ち合わせ場所まで移動してから到着の連絡を入れる。
どーせまた来るまでに時間かかるのかと思いきや、今回は結構すぐに来た。
さすがに、ちょっとは気にしていたのかもしれない。
夕食はテキトーにポルタで。
食後は駅の屋上でベンチに座って小休止。
月が出ていた。
満月よりは少し欠けているだろうか。
うっすらと雲がかかって、ほんのりと朧月。
こんな月は何度も見たことあるけど、古都で見ると少し雰囲気が違うように感じた。
短かった。
往復「ながら」で途中わずか1泊の旅。
明日からまた仕事だと思うと、つらいものがある。
俺はもう次の旅を考え始めていた。
北陸か、北海道か……まぁ、そのへんだろうな。
たぶん、また一人で行くことになるのだろう。
どーせ一緒に行けるやつはいない。社会人ってのになっちまうと、そうなってしまうもんだし。
今となっては大学時代の旅が懐かしい。
1週間とか半月とか。
新幹線も飛行機も使わず、延々と鉄道で九州一周とか屋久島行ったりとか。
いつか、あんな旅がまたやりたいと思う。本当にそう思う。
でも、とりあえず今はできないから。
回数を増やして、穴埋めしていくことになるのだろう。
休みが取れるかわからないけど、次行くとしたら10月上旬くらいだろうか。
北海道や、北陸の立山の方なら紅葉しているだろう。
2泊なら北陸、3泊できるなら北海道。
まぁ、そんなところだろう。帰ったら、早速いろいろ調べてみようと思う。
21時29分発の新快速は結構混雑していた。
普段なら守山あたりでだいぶ空くのだけど、今回は米原まで立っている人がいた。
米原からはJR東海313系で30分。
夜の大垣駅は、ムーンライト待ちの人で混雑。

今日も「ながら」は満席だった。
下りよりはそれでも空いているけど、デッキには指定席の無い人たちが群がっていた。
いつも旅の終わりに見る光景。
でも、何だか今回は終わりという感じがしなかった。
それはやはり、物足りなさを感じるせいなのだろうか。
まだ、もっと旅をしていたいという思いからなのだろうか。
いつもと同じく、大船駅の発車メロディで目が覚める。
非日常から日常へと戻る瞬間。
あと、15分ほどで、「ながら」からも降りなければならない。
やはり、というか何と言うか。
物足りなかった。このまま、18キップの残りを使って、どっかに行きたい気分だった。
だけど、現実はそうできるものではなくて。
俺は横浜駅でムーンライトと友人に別れを告げ、薄暗く冷えた空気に包まれたホームを後にした。
